読書記録4

重力ピエロ (新潮文庫)

重力ピエロ (新潮文庫)

加瀬亮岡田将生くん主演で映画化されるとのことなので先に原作を読んだ。


春とお兄さんと父さんと母さんの4人の家族の物語だと思った。それ以上でも以下でもないなあ。
最後の一文で何か涙がぼろぼろ出た。ものすごい余韻。
途中、筋書きが読めてきて、「えー」と思ったのだけど、あえてそこは読めるように書かれてたのかなとあとになると考えたり。多分大事なのはそこじゃなかったんだろうな、と。
でも伊坂幸太郎さんって、割と悲しい余韻を残すお話を作るなあ。アヒルと鴨のコインロッカーとか(これは映画しか観てないから原作とはまた違うのかもしれないけど)。もの悲しくて、静かで淡々としている。熱量がほぼ一定というか。あんまり変動しない。で、ある意味平和だし、穏やかだし。悪になる対象以外はほとんど皆が優しい。それがすごく印象的。

でもだいぶと映画化の難しいお話ですね。春は岡田くんで良いのかもな、お顔の感じは割とイメージ崩さず、という感じがする。加瀬亮が兄役をやるというのは、何か今からもう優しくて悲しい感じがじわじわと伝わってきて、いたたまれなくなります。ああ、絶対見に行こう。