読書記録3
まほろ市というところは、本当にあるの?と気になってWikiってみたりしたら
まほろ市(まほろし)とは、様々な小説の舞台となる架空の都市の名。
幻(まぼろし)を都市名にしたものでユートピアと同じく「どこにも存在しない場所」の意味を持つ。または、古事記にある倭建命(日本書紀では景行天皇)の国偲び歌「夜麻登波 久爾能麻本呂婆(後略)」(倭は 國のまほろば)に由来する。
へーーーー!!!
となる。そうなのか。
で、なんでまほろ市が気になったかというと
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/01/09
- メディア: 文庫
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タイトル通りまほろ駅前にある便利屋を営む多田とそこにころがりこんだ行天のお話でした。
いろいろ起こるのだけど、そのたびなんか、こうひっそり面白いミステリ系の連続ドラマみたいな解決方法というか、斬新ではないけど見てしまうというような感じで面白かった。で、ちょっとずつ二人の秘密が明らかになっていく、という。
ありきたりっていえばそうなのかも。でもやけに惹かれるなあ不思議だなあと思いながら、読み終わったあと解説を見ると、「三浦しをんの文章は、読んでいて気持ちがいい」と書いてあり、「ああそれだ!」と思った。
問題が起これば解決するし、そのたび関わった人たちを助けているのも確かなのに、なんでかヒーローぽくないんだよなあ、どこかじめっとしているんだよなあ、カラカラしてない!と思っていて、表紙の帯をふと見ると
あんたは正義の味方にはなれないね。
―いいんだ。俺は便利屋だから。
とあり、これが全てを表しているような気がしました。
ほんとに文章の書き方がすごく素敵。読みやすい。小説を読んでいるときって、自分の今いる現実から非現実に入り込むまでに少し時間がかかったり小説の世界に入り込むのにタイミングとか集中力とか必要になるけど(自分の場合)、すごく自然な流れで現実と非現実をつないでくれる感じがした。それがすごい良かった。
この人のエッセイも面白いらしいのでいずれ読みたい。エッセイが面白いと思えるようになったら。