読んだもの記録

古道具 中野商店 (新潮文庫)

古道具 中野商店 (新潮文庫)

良いお話だったなあ。
「すっごい良かったー!」と感嘆の声をあげる感じではなくて、しみじみと良かったなあとほうっとする感じ。
なんてことはなくて、大きな事件も起きなくて、ただ中野商店の人たちの毎日が流れていく様子が淡々と描かれていて、それがすごく心地よかったです。
登場人物が、マサヨさんのつけている「草木染のへんな色のスカーフ」みたいな人たちだなあと思った。きらきらしているわけでも、美しいわけでも、華やかなわけでもないけど、わざとらしくない普通の温度で、毎日ちょっと嬉しかったり、ちょっと悲しかったりする人たちの様子がすごく愛おしかったです。
読んだあと、じわじわと幸せな気持ちになるお話。


有頂天家族

有頂天家族

お友達に借りて。
これすごい好きだった!ほんとに大好きだー!て叫びたくなるようなお話だった。
主人公が狸っていう。もうその時点で想像するだけで可愛い。狸の家族の絆のお話。可愛い。
主人公矢三郎の家族がすんごい可愛いし、愛おしい。大好き。
いちいち、はっとする言葉があってそれも良かった。
「面白きことはよきことなり」ってほんと名言だよなあ。

パレード

パレード

こちらは転職祝いにお友達がくれました。
これも面白かったなあー。吉田修一さん初めて読みましたがすごい想像力を働かせてくれるような文章を書く人だなあと思った。
登場人物一人ひとりがすごく鮮明に頭に浮かぶ。感情移入する度合いがいつもより大きかった。
読み終わってみて、「これなんて怖い話なんだ」って気づいた。ミステリとかサスペンスとかの恐怖ではなくて、日常にあるふいにぞくっと怖くなる瞬間、今まで気づかなかったことに気づいたときの恐怖、みたいなのが強かった。
もうすぐ映画化なんですよねー。もう藤原竜也がこの役をやるのか!と思ったらちょう興奮するので見に行きたい。